2019




那須烏山市5
  枠内の城名を触ると、縄張り図にジャンプします
@記号SKは、現地調査の生DATA=スケッチを示す
A『 』内の城は、調査したが、遺構が見あたらない城を示す。
 この場合、縄張り図の代わりに、地籍図や写真等を掲載している。
 (注)遺構が無いからと言って、そこを城として否定しているわけでない。
B図は断りのない場合、上面が北を示す。
  パソコンの特性上、縄張りをすべて画面上に掲載できていない場合がある。
  

加登べ城sk



加登べ城sk  位置(マピオンへのリンク)

巨大な縦堀の城 2012〜3冬第15弾 2013/01/22 
 
             

 加登べ城は、基本的に単郭の城に見えるが、最近まで、宅地、畑となっていたため、正確にはよく解らない。
 今でも、建物は取り払われたものの、郭内に生活の跡がのこる。

       
 
 
【解説】






城は、低い舌状台地の先端に位置する。



主郭一帯は耕作されてしまった
可能性が高く、遺構の判断が難しい。























舌状台地を南北に断ち切る堀切は大きいが、
現在、不思議なことに城外側が高い。

また、この堀切は2重であった可能性もある。

  



  ◆左手が城外。右手が城内

  この事からも、主郭内は、かなり地ならしされた可能性がある。
  おそらく主郭内には、城外側に対応するくらいの高さで、土塁か、壁の施設があったのだろう。







 
 


郭内に残る土塁。

ただ、耕作で土を寄せた跡の可能性もある。
 


 

 






      
左は、主郭最東の縦堀?

断崖である。

あまりの深さに、恐怖を感じる。
















        
さて、本城のメイン・イベント!

         
            ◆縦堀群の中の一本
 

  
さて、この城でなんといっても圧倒的なのは、北側斜面の縦堀である。
  すごい、ド迫力。

               



  もともとあった自然のの谷形状も利用していると思われるが、人工の手を加えている事は間違いない。

  崩れている部分もあるが、北側の巨大な縦堀は4本並んでいたと思われる。

  上部は崩れていても、下まで降りてみると、人の手が入って溝形状になっている。

 




加登べ城は、高館城・森田城と字輪の内を守っていたと思われる。

その”とば口”を守っていたのが加登べ城である。















この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。


                 
(加登べ城コンプリート)


GPSロガーでカシミール3Dに挑戦 2012〜3冬第15弾 2013/01/22


さて、山歩きの方々は、GPSデータロガーを使い、歩行軌跡を記録するようだ。

                        
それを、カシミール3Dなどで地形図に結びつけ、自らの山歩きの記録としている。

                        
   管理人は、これを城の調査や、
            縄張り図作成に役立てないか?・・と考えた。



        ◆マピオンによる、自分の行動軌跡を描画
              
 
例えば、

 
@山の中で城の遺構を発見した場合、等高線だけでは掴みにくい位置を正確につかめないか?

 
AGPS計測を行いながら曲輪の端を歩くことで、曲輪の形を正確に探り、縄張り図を描く事に役立てないか?



 @は、
 よくあることだが、参考資料の誤記である。
 よく本に載っている位置に城を訪ねると、何もなかったとか、隣の山が城だったとかは、よく耳にする話である。

 
◆例
例えば、左地図のような地形があったとする。

図左手の4つのピークのどれかに遺構があった場合、
または、その間に堀切がポツンと1つだけあった場合、
どの位置に遺構があるのか、現地で判断できるであろうか?



「この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。」






 これについては、烏山城の堀切遺構の調査や、入江野城の調査の際、携帯電話付属のGPS機能を使って、
 その有効性については検証済みである。
 疑う余地はない。
 これを使うことで、城の所在する位置はかなり正確につかめると考える。




 Aは、
 たとえば徳次郎城の様に、1つの曲輪取りが大きく、辺の交わる角度を少し間違えただけで、
 曲輪の形全体が大きく狂ってしまったり、
 人間なら最も苦手とする曲線形状を、GPSの計測結果が補ってくれないか?ということである。






 そもそもGPSは軍事用に開発されたもので、その精度は、公称10m程度と言われている。
 だが、それはGPSデータを受け取る条件によることであって、実は数mになることもあるという。

 調べてみると、GPSデータは衛星からのデータであるので、
 手持ちのGPSデータロガーの値段が高い、安いにはあまり左右されにくいそうである。
 あくまで、衛生からの位置データがどれだけ正確なのかに左右されるのだ。

 うわさでは世界の軍事的緊張度合いよって、衛星からの精度が変わるという。
 また、トンネルや木の下などは精度が低くなる傾向がある。
 最近のスマートフォンのGPSでは特定のアプリを使うと、
 GPSデータに加え、携帯基地からの電波から補正をかけ、位置データが数m単位の精度にまで向上するという。




 少々、ウンチクを述べすぎたが、とりあえず、精度の話は技術的なところであり、このHPには関係ない。


    要は、
「”つかえるか””使えないか”は、私が判断すれば良い。」

 
私見では、城の調査でこれを使って縄張り図作成に役立てているという話は聞いたことがない


  ・・ということで、さっそくカトベ城と高館城で実験を開始することにした!



  
実験@

    
加登べ城の主郭の形を捉えることができるか。

        【実験内容詳細】
                加登べ城の主郭は変則的な形をしていて、形が捉えにくい。
                これをGPS軌跡がどれだけ表現してくれるのか

 実験A・・・高館城の項で

        
高館城の主郭のコーナー部の角度を計測する。

        【実験内容詳細】
                高館城の主郭コーナー部は、直角ではなく鋭角になっている。
                ただ、藪がひどくその角度が非常に捉えにくい。
                これをGPS軌跡がどれだけ正確にトレースできるのか


 以上の課題を、加登べ城・高館城で行う。
 なお、高館城の実験A結果は高館城の項で述べたい。



実験@加登べ城の主郭の形を捉えることができるか2012〜3冬第15弾 2013/01/22


                       




GPSロガーを首に下げ、早速、加登べ城の主郭を歩いてみる事にした。













                 結果、これをカシミール3Dで変換してみたのが下図である。


                    んっ!?



       ●縄張り図と比較
              
「この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。」


   
 多少のズレはあるものの、加登べ城は綺麗に地形図に乗っかってきた。
 城の位置情報としては、間違いない。


 ただ、曲輪の形を捕らえているかと言うと・・・・

           なんか似ているようで、似てないようで・・・・・

                    
微妙な感じ???





  
   やっぱ、だめかなぁ〜と思いつつ、データ解析を試みる。

      
カシミール3Dでは、計測したプロットポイントを画面上に表示する事ができる。


                     
やってみると・・・・・





 

                 んっ!? 
 

 



が、GPSからのデータであるが、

 完全に赤矢印部分のデータが
        飛んでしまっている!



この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

 


 
 GPSデータのを詳細リストを見てみると、
 5秒間隔でロギングしているにもかかわらず
 
赤丸印部分区間は、
 長いあいだ、データが取得できていない。










犯人は、完全に山の森のせいだと思われる。

また、データーロガーを首に吊り下げていたことも、
GPSデーター取得を阻害していたらしい。












                     ただ・・・

        
              この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

      正常に5秒間隔でロギングできた箇所を、縄張り図と比較してみると、あれれ????
        やじるしで、色分けして見たが、

    
曲輪の輪郭を
   立派に捉えているような気がする




 そうだ!!

 GPSのデータをもっと捉えるように工夫してみよう!

 市販ではGPSデータを受け取りやすいように、ロガー用のキャップもあるらしい。
                      
 また、
ロギング間隔も5秒から、1秒に変え、もっと細かく取ってみよう。

 そうすることで、もっと正確な曲輪の形がトレースできるような気がする。

 

 GPSロガーを使っての縄張り図作成・・・



   
 まだまだ諦めるには早そうだ。


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